雲上の女神

雲の上から夫の治世を称える妻という説もあるが、真実は・・・
「Lady in the Clouds(雲上の女神)」

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コインデータ

オーストリア 発行枚数 MS 16,000 枚 PF 不明
1908 標準グレード MS 61 PF 62
額面 100 コロナ 国内相場 MS 190 万円 PF 420万円
素材 投資性 starstar
大きさ 直径 37 mm
重さ 33.8753 g
品位 0.9000

基本情報

Austria_1908_100Corona_s1908年にオーストリアで発行された100コロナ金貨。オーストリア帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世(Franz Joseph I.)の治世60年を記念した単年発行のコイン。

おもて面は、フランツ・ヨーゼフ1世の肖像。銘文は、フランツ・ヨーゼフ1世、神の恵み、オーストリア皇帝、ボヘミア・ガリシア・イリュリアなどの王、ハンガリーの選ばれた王。

裏面は、フランツ・ヨーゼフ1世の治世開始年1848と、金貨発行年の1908、額面の100コロナ(Corona)。
下部の銘文は、治世60年を見事達成したことの祝意。

この金貨は鋳造自体の欠陥、もしくは、鋳造時の誤った扱いからか、おもて面の余白部分に、必ずと言っていいほど、細かい傷がある。そのため、最高グレードはPF65止まり。

雲の上の女性はフランツの妻、エリーザベト(Elisabeth)という説と、友人もしくは愛人で女優のカタリーナ・シュラット(Katharina Schratt)がモデルという説がある。

デザイン

Elisabeth-Katharina雲の上の女性は、エリーザベトかカタリーナか。
画像では下のカタリーナの方がコインに描かれている女性に雰囲気が近い。

さらに、カタリーナ説を有力にするのが、銘文の書体。丸みを帯びていて、かなりカジュアル。
この金貨が発行される10年前に暗殺されたエリーザベトが、夫の治世を称えるには、相応しくない書体。エリーザベトなら、もっとフォーマルな書体が採用されると考えられる。

妻エリーザベトなら感動的、優美と受け取れるかもしれないが、このカジュアルな書体と、妻ではないカタリーナからは女々しい印象を受ける。評価が分かれるところ。

Austria_1908_100Corona_R
ただ、女性がどちらでも、金貨に雲の上の女性を描く発想や、特に、雲の意匠が素晴らしいことに変わりはない。

投資性

MSの場合は発行枚数が多いのため、希少性が低い。女性がどちらかによって、人気や評価が分かれることから、現時点では割高感がある。

オークション結果
・2017年1月9日(EST) PF65 CAMEO 818万円
・2017年1月8日(EST) PF63 CAMEO 327万円
・2016年10月21日(CEST) PF63 CAMEO 345万円
・2016年10月14日(CEST) PROOF 283万円
・2016年10月8日(CEST) MS64 435万円
・2016年9月8日(PST) PF62 229万円
・2016年9月8日(PST) PF63 CAMEO 386万円

コメント

  1. 中村 信平 より:

    雲上の女神のモチーフが愛人であるなどと初めてお聞きしました。
    皇帝に愛人や大奥があるのは当時は当たり前の事でしたが、流通用貨幣として鋳造された記念貨幣に愛人のデザインが採用されるなど前代未聞です。
    ぜひとも参考文献等をお教え頂けないでしょうか。
    今後雲上の女神の評価に著しく影響を与える記事だと思います。

    • アンティークコイン.net より:

      コメントありがとうございます。
      雲の上の女性がカタリーナという説は、海外ではよく知られていますので、
      例えば、「100 Corona Katharina Schratt」などで検索していただくと、
      『モデルはカタリーナと言われている』という情報が得られます。
      国内では不思議なほど、この情報がありません。
      ただし、カタリーナが愛人ということを含めて、あくまで説です。
      と、強調しておきます。

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